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前立腺肥大症の手術はどれが最適?主要術式の違いと選び方

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前立腺肥大症の手術には、すべての方に当てはまる「最良の術式」はありません。症状の重さ、前立腺の大きさ、服用中の薬、持病の有無によって、適した方法が変わるためです。この記事は、薬を続けても排尿のトラブルが改善しない方や、手術を勧められて迷っている方に向けて、主要な術式の特徴と選び方の考え方を整理した一般的な情報です。

この記事の要点
  • 術式は、症状の重さ・前立腺の大きさ・服用中の薬・合併症をふまえて決まります。
  • 主な選択肢は、TURP、HoLEP、PVP、前立腺吊り上げ術などです。
  • どの術式にも利点と注意点があります。自己判断せず、泌尿器科医と相談して決めることが大切です。

前立腺肥大症で手術を検討する目安

前立腺肥大症の治療は、まず生活習慣の見直しと薬物療法から始めるのが一般的です。薬を続けても症状が改善しない場合や、体に影響が出ている場合に、手術が検討されます。

手術が勧められることがある状態

  • 尿が出なくなる状態(尿閉)を起こした
  • 膀胱炎や尿路感染を繰り返している
  • 膀胱に結石ができた
  • 腎機能への影響(水腎症など)が見られる
  • 肉眼で分かる血尿を繰り返している

受診の目安となる症状

  • 夜間に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
  • 尿の勢いが弱い(尿勢低下)
  • 排尿後もすっきりしない、尿が残っている感じがある(残尿感)

これらの症状は前立腺肥大症以外の病気でも起こります。気になる場合は、まず泌尿器科で検査を受けましょう。

手術の種類を決める4つの判断基準

術式の選択では、主に次の4つが検討されます。

  • 症状の重さ:排尿症状の程度や生活への影響、尿閉などの合併症の有無を確認します。
  • 前立腺の大きさ:超音波検査などで大きさや形を調べます。術式によって向き不向きがあります。
  • 服用中の薬:血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる場合、出血のリスクを考えて術式や薬の調整を相談します。自己判断で中止してはいけません。
  • 合併症と年齢・全身状態:心臓や肺の病気などがあると、麻酔や術式の選択に影響します。年齢だけで手術の可否が決まるわけではありません。

このほか、術後の性機能についての希望や、通える範囲にある医療機関で行える術式かどうかも、選ぶときの大切な要素です。

診察室で泌尿器科医に相談する男性

経尿道的前立腺切除術(TURP)の特徴

こんな方で検討されやすい手術:長い実績のある標準的な術式で、ほかの術式と比べるときの基準にもなっています。

どんな手術か

尿道から細い内視鏡を入れ、電気メスで肥大した前立腺の内側の組織を削り取って、尿の通り道を広げる手術です。お腹を切ることはありません。

主な利点

  • 実績が豊富で、多くの医療機関で行われています。
  • 切除した組織を病理検査に提出できます。

注意点・合併症

  • 出血が起こることがあります。
  • 術後に一時的な頻尿や尿失禁が出ることがあります。
  • 逆行性射精(精液が膀胱へ逆流し、射精しても精液が出にくくなる状態)が起こり得ます。
  • TUR症候群という合併症がありますが、発生はまれです。
  • 入院期間は数日〜1週間前後が目安ですが、施設や状態によって異なります。

医師に確認したいこと

自分の前立腺の大きさに適しているか、出血のリスクや服用中の薬への対応はどうなるかを確認しましょう。

ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)の特徴

こんな方で検討されやすい手術:前立腺が大きめの方でも対応しやすいとされる術式です。

模型を使って説明する医師と患者

どんな手術か

尿道から内視鏡を入れ、ホルミウムレーザーで肥大した部分を被膜から剥がすように取り出し、膀胱内で細かくして体外へ出す手術です。

主な利点

  • 大きな前立腺にも対応しやすいとされています。
  • 肥大した組織を大きく取り除くため、再手術になる割合が低いとされています。
  • 取り出した組織を病理検査に提出できます。

注意点・合併症

  • 術後に一時的な尿失禁が起こることがあります。
  • 逆行性射精が起こり得ます。
  • 習熟した医師による手技が重要で、実施できる施設には差があります。事前に確認しましょう。

医師に確認したいこと

その施設での実施経験や、術後の尿失禁への対応、通院の方法を確認しておくと安心です。

光選択的前立腺蒸散術(PVP)の特徴

こんな方で検討されやすい手術:出血を抑えたい方や、抗血栓薬を服用している方で検討される場合がある術式です。

どんな手術か

尿道から内視鏡を入れ、レーザー光を当てて肥大した組織を蒸散(気化)させ、尿の通り道を広げる手術です。保険診療で行われています。

静かな病院の廊下

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主な利点

  • 出血が比較的少ないとされています。
  • 抗血栓薬を飲んでいる方でも検討される場合があります。ただし、可否は全身状態をふまえて個別に判断されます。

注意点・合併症

  • 組織を蒸散させるため、病理検査に使える組織が得られにくい点があります。
  • 前立腺の大きさによって、適する場合とそうでない場合があります。
  • 術後の一時的な排尿症状や、逆行性射精が起こり得ます。

医師に確認したいこと

自分の前立腺の大きさでこの術式が適しているか、服用中の薬をどう扱うかを確認しましょう。

前立腺吊り上げ術など低侵襲治療の特徴

こんな方で検討されやすい治療:組織を切除せずに治療したい方や、術後の性機能への影響を少なくしたい方です。

どんな治療か

前立腺を切除せず、小さなインプラントで肥大した前立腺を横に引き寄せて尿道を広げる方法です。前立腺吊り上げ術(UroLift)などがあります。

主な利点

  • 組織を取り除かないため、性機能への影響が比較的少ないとされています(海外の臨床試験に基づく情報です)。

注意点

  • 適応となる前立腺の大きさや形状に条件があります。
  • 日本での保険適用や実施施設は変わることがあるため、最新の状況を受診先の医療機関に確認してください。
超音波画像を示す医師の手元

医師に確認したいこと

自分が適応になるか、受けられる施設が近くにあるか、費用の扱いがどうなるかを確認しましょう。

術式の比較表

各術式を、目安として相対的に比べた表です。数値は施設や状態によって大きく異なるため、載せていません。自分の場合にどうなるかは、主治医に確認してください。

比較項目 TURP HoLEP PVP 吊り上げ術
向いている前立腺の大きさ 標準的な大きさで広く用いられる 大きめでも対応しやすい 大きさにより適否が分かれる 大きさ・形状に条件がある
入院期間 数日〜1週間前後が目安(施設により異なる) 施設により異なる 施設により異なる 施設により異なる
出血の傾向 一定の注意が必要 比較的少ないとされる 比較的少ないとされる 少ないとされる
再治療の可能性 状態により異なる 低いとされる 大きさにより異なる 主治医に確認
性機能への影響(逆行性射精など) 起こり得る 起こり得る 起こり得る 比較的少ないとされる
病理検査用の組織 得られる 得られる 得られにくい 得られない
実施施設の多さ 多い 施設差があるため事前確認 施設により異なる 限られる場合があるため事前確認

手術後の経過と注意点

術後の経過には個人差があり、術式によっても異なります。具体的な日数や制限は、必ず主治医の指示に従ってください。

  • 尿道カテーテル:手術後しばらく、尿を出すための管が入ることが一般的です。外す時期は主治医が判断します。
  • 血尿・頻尿・一時的な尿失禁:術後に起こり得ますが、多くは徐々に落ち着いていきます。症状が強い場合や長引く場合は、早めに連絡しましょう。
  • 日常生活・運動・仕事への復帰:時期は術式や体調で異なります。重い物を持つことや激しい運動は、医師の許可が出るまで控えるよう指示されることがあります。
  • 逆行性射精:射精の感覚はあっても精液が出にくくなる状態です。治療前に十分な説明を受け、希望を伝えておくことが大切です。

泌尿器科医に相談するときのチェックリスト

受診前にメモしておくと、診察で聞きたいことを伝えやすくなります。

薬と水を手にする高齢の男性
  • 自分の前立腺の大きさや、検査で分かった状態を教えてもらった
  • 服用中の薬をすべて伝えた(特に血をサラサラにする薬)
  • 持病や過去の手術歴を伝えた
  • 術後の性機能について、希望や不安を伝えた
  • 自分に考えられる術式と、それぞれの利点・注意点を聞いた
  • その術式について、施設での実施経験を確認した
  • 入院期間や術後の通院の見通しを聞いた
  • 手術をしない場合に考えられる経過を聞いた

説明が分かりにくいときは、遠慮なく聞き直しましょう。納得できない場合は、別の医師の意見を聞くセカンドオピニオンも選択肢です。

よくある質問

手術を受ければ症状は完全になくなりますか?

多くの場合、症状の改善が期待できますが、すべての症状がなくなるとは限りません。また、時間がたつと再治療が必要になる可能性もゼロではありません。

高齢でも手術は受けられますか?

年齢だけで可否が決まるわけではなく、全身状態や持病をふまえて判断されます。受けられる場合もあるため、主治医に相談してください。

手術をしないと、どうなりますか?

状態によっては、尿閉や尿路感染、腎機能への影響などが起こる可能性があります。症状や検査結果に応じた見通しを、主治医に確認しましょう。

費用はどのくらいかかりますか?

公的医療保険が適用される術式では、高額療養費制度の対象になります。自己負担の上限額は所得区分によって異なり、施設によっても総額が変わります。詳しくは医療機関の窓口や、加入している保険者、厚生労働省の案内で確認してください。保険適用の有無は術式や施設によって異なるため、事前に確認しましょう。

手術を検討するときは、まず泌尿器科で検査を受け、医師と相談することが第一歩です。受診前に上のチェックリストをメモしておくと、診察で聞きたいことを伝えやすくなります。

相談前のチェックリストを見る

  1. 日本泌尿器科学会「男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン」
  2. 厚生労働省「高額療養費制度」に関する案内
  3. 各術式に関する泌尿器科学会・医学会の公開情報

本記事は一般的な情報であり、診断・治療は泌尿器科医に相談してください。

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この記事を引用するとき

出典: Atovia(アトビア). https://atovia.kr

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